女声合唱曲集「花に会う旅」

花に会う旅 成川玲子の詩による女声合唱曲集

成川玲子 作詩 / 林きらら 作曲

カワイ出版(企画出版)
ISBN978-4-7609-5953-2
¥1,300(本体)

芽 / 春の暮 / 春の宵 / 秋がきた / 百日紅
全5曲(全てSMA+Pf.)

♪ 演奏音源は<こちら

カワイ全国主要直営店オンラインショップにて12月発売
もしくは<contactページ>より林までご連絡下さい

<前書きより>
 この曲集は、私自身も一団員として歌っている女声合唱団「花の会」のためにこれまで書いてきた作品の中から、特に愛唱して頂いているものを選んだ5曲です。時期はそれぞれ違いますが、全て、指揮:古澤泉/ピアノ:塩見宣子/合唱団「花の会」(敬称略)により初演されています。
 大学入学前から生え抜きの座付作曲家(笑)として育てて下さった先生方・仲間達への感謝を込めて、曲集タイトルは団名を織り込んだ「花に会う旅」としました。

いつかいつかと言い続けてXX年(!)、ようやく花の会のための作品を本にすることができました。

作曲家として歩み始めて今に至るまで細々ながらずっと、ひとつの団のためにひとりの詩人の詩で作品を書き、合唱団員として初演・再演を歌う、ということを続けさせて頂いているのは、まさに文字通り「有り難い」経験です。
古澤先生の、品格と人間味あふれる音楽づくり、たゆまぬ探究心。塩見先生の、楽譜に対する真摯な姿勢、合唱ピアニストとしての豊富な経験。そして、アマチュアでありながら数々の初演を、少々拗れちゃった楽譜もちょっといい感じに出来た作品も共に歌い続けて下さる、歴代団員皆様の温情。
作曲家として、音楽をやる者として、人間として、ここで私はどれだけ多くのものを学び、頂いてきたことか…
この曲集はささやかながら、「花の会」への、そして成川玲子さんへの、感謝の結晶です。

<前書きより>
 歌詩はすべて詩人・成川玲子さんの作品です。成川さんとの出会いは、初めて団の委嘱を頂いた際、ご親戚にあたる団長がご紹介下さった詩集でした。花と音楽を愛する詩人の紡ぐ瑞々しいことばたちが、世代の違う私に不思議なほどしっくりと馴染み、花の会にもよく似合うもので、以来、団のための作品はほとんどが “成川玲子の詩による” ものとなっています。

成川玲子さん(1924-2005)は、詩誌「沙羅」「しろたえ」等で活動なさった詩人です。松本民之助先生主催の日本歌曲研究会「まほらま会」への参加など音楽とも深く関わっていらして、私からお送りした楽譜も、ご自身でピアノも弾いて試奏して下さっていたようです。
残念ながら直接お会いすることは叶わぬままでしたが、何度かやり取りさせて頂いたお手紙の中で、日々の中で見つけた詩のかけらや、同じ作り手としての親しみ込もるあたたかな言葉を、孫世代の駆け出しの作曲家にも惜しみなく分け与えて下さいました。
成川さんが亡くなられた後も、詩という手紙に対する音楽の返信のような気持ちで、作品を書き続けています。

掲載曲はその中から、春と秋の歌5つ。

  • (2011)
     生命あふれ出す早春の詩を、古い絵本のような色調で描きました。
  • 春の暮(2015)
     詩を口ずさむまま、鼻歌のように気軽なメロディになっていった一曲。
  • 春の宵(2006)
     短くもどこか艶を秘めた詩を、昭和のブルース歌謡風?に味付け。
  • 秋がきた(2017)
     風景の広がりを風の描写で表現する試み。ルーツの信州への思い入れもちょっと込めて。
  • 百日紅(2007)
     現と幻を、ピアノ演ずる鈴の音がつなぐ。地元の氷川様に巫女舞を見に行きました。
<前書きより>
 楽譜にはあまり細かい指示を書き込んでありません。詩や旋律、ハーモニーを丁寧に表現することで自然に生まれる抑揚や間合いを、大切に楽しみながら歌って頂けたらと考えています。

合唱に限らず、私は自分の作品が、演奏者や聴く方に提供する「遊び場」でありたいと考えています。想像を巡らせたり発見したり、思い思いに心地好く遊べる場。
少しだけ仕掛けを置いておき、まんまと思う壺にハマってもらえても、意外な遊び方に驚かされても嬉しい。置いた自覚もなかった仕掛けや、仕掛け以外での遊び方を見つけてもらえたら、更には来るごとに新しい発見をしてもらえたりしたら、この上なく幸せです。
緻密な楽譜を見事に再現する演奏ももちろん本当に素晴らしいものですが、“想像の余地”に演奏者が込めるものを楽しむ音楽体験が、私はとても好きなのです。

これは花の会のいつものやり方の中で培われた考えかもしれません。
シンプルな楽譜から、古澤先生が、名手の歌心を以って豊かなアゴーギクや息づかいを有機的に施し、極上の歌に仕立てて下さる。塩見先生が、冷静かつ熱を秘めたピアノで奥行きを加えて下さる。私たち団員は、その“尊い”表現を目指して頑張る(笑)
コンクール的な上手さとは違うかもしれないけれど、花の会ならではの「好い」音楽が、こうしてできてゆきます。

この少々個性的な団のために書いた楽譜が、必ずしも全ての合唱団にフィットするものではないかもしれません。でももしかして、面白がって歌ってくださる方がいらしたら…

そんな奇特な方にも手に取って頂けるよう、自費出版でもきちんとしたものを作りたいと思い、カワイ出版に依頼し、企画出版として出させて頂けることとなりました。
編集をご担当下さったのが早川由章さん。三善晃先生はじめ名だたる作曲家皆様が厚い信頼を寄せる編集者で、日本の合唱を盛り立てていらっしゃる凄い方です。ここぞとばかり色々ご相談に乗って頂きブラッシュアップされた楽譜に、カワイクォリティの浄書・印刷・製本、ロゴまで入って、手にして嬉しい本が出来上がりました!

表紙絵は、花の会OG水村節子さんの水彩画「稲荷山公園の桜」です。「春の暮」初演の頃、前に描いた絵がちょうどこの詩の雰囲気で…と見せて下さった作品が本当にイメージピッタリで、この曲を出版することがあれば、ぜひ表紙に使わせて頂きたいと思っていたのです。
表紙デザインはまたまた趣味のイラレで自前。相変わらずひたすら素材を活かすのみですが、絵が素敵だからそれでOKなんです(笑)

『花に会う旅』は、カワイの全国の主要直営店オンラインショップにてお求め頂けます。
もちろん私の手元にも売るほどありますので(笑)、contactページよりお申し付けください。

塩見先生はご家庭の都合により前年度いっぱいで花の会を辞されました。
後任に若きピアニスト柴田崇考先生を迎えて心新たに、コロナ禍の中手探りしつつ、花の会の皆元気に歌っております。

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