Four Seasons by Nature

Four Seasons

NACD-2211 ¥3,000(税込)
演奏:Nature(福島明佳 Fl. 米山多佳子 Pf.)
編曲:林きらら
収録曲:花、海、夕焼小焼、赤とんぼ、冬景色、故郷 全12曲

Natureウェブサイト
村松楽器新宿店 及び オンラインショップにて販売中

日本の四季折々の懐かしい歌をイメージ豊かなアレンジで、フルートとピアノの心地好い音色に乗せてお届けするアルバム「Four Seasons」が出来上がりました!

始まりは、明佳さんの、お祖母様に懐かしく聴いてもらえるCDを作りたい、というお話からでした。
収録曲選定のために取材したりピアニストを探したりしていた中、ちょうど同時期に「いずみのくらいす」で日本の歌の編曲の機会を頂き、多佳子さんが伴奏をそれは色鮮やかに初演して下さいました。
お二人を引き合わせる狙いでその録音を明佳さんにお聴かせしたところ、多佳子さんのピアノはもちろん、編曲も大変気に入って下さったもので、その中から選んでフルート版として再編曲し、新たに3曲書き下ろして、アルバムに収録することとなりました。

とにかくナテュールお二人の演奏が素敵です!
明佳さんのフルートは、時に澄み渡り時に温かく熱く、歌心が溢れています。
多佳子さんのピアノは、音色を自在に操って、音からシーンが立ち現れるようです。
さらにデュオとしてのシンクロ率の高さ。楽譜から得た音楽のヴィジョンを深く共有して、編曲者自身のイメージをはるかに上まわるスケールの世界を描き出して下さっています。

ジャケットの花の写真は、フラワーデザイナー佐々木華香さんの作品を、Natureロゴデザインの書家でもある早川貴子さんが撮影。
ダイナミックな造形に、心おどる色彩、ノスタルジーと瑞々しさ、このCDに込めたい全てが盛り込まれた華香さんのアレンジメント。それを早川先生が、やわらかな視線で愛でつつ丹念に読み取りつつ、様々な切り口で写真に収めて下さいました。
私が素人デザイナーでカバーデザインを担当したのですが、ただただ素材の良さに乗じただけで、なんか好い感じに出来たのでは…と自己満足。

それより何より私自身が書かねばならぬ、編曲について。
元々の「いずみのくらいす」の古澤泉先生よりのご依頼は、素晴らしい日本の歌の旋律に、唱歌の伴奏はシンプルすぎたり、有節歌曲で同じ伴奏の繰り返しだったりなので、新鮮に聴けるようなコンサート向けのアレンジを!ということでした。(歌曲版をYouTubeでお聴き頂けます、歌ならではの表現はこれまたスゴイです)
歌はほぼ原型のまま生かしつつ、歌詩の情景の映像音楽のように…というスタンスは、今回書き下ろした曲でも踏襲しています。
各曲についての一言は、ハヤシ渾身の?ブックレットに。ぜひCDをお手に取って頂けましたら幸いです!

企画当初から相談に乗って下さり、録音会社の紹介やレコーディングまでお力添え下さった、村松楽器販売株式会社の平野仁志・山上晃生の両氏。五反田文化センターの素晴らしいピアノを、さらに極上のピアノにして下さった調律師の桉田泰司氏。また、Natureの演奏の機微もホールのあたたかな音響も余すことなく録音して下さった、有限会社ナビの中野光夫・遠坂孝夫・アシスタント久我元大の各氏。私達の音楽に深く共鳴して本当に嬉しい言葉を寄せて下さった、音楽評論家の津嶋りえこ氏。
それからこのCDを現実化するきっかけとなる編曲の機会と多佳子さんとの出会いを与えて下さった、古澤泉先生。その歌曲版のいくつかの源流となった“日本の歌メドレー”シリーズで遊び心をインスパイアして下さり、最初に明佳さんと私とを繋げて下さった、オカリナユニット風華の皆様。
そして選曲の取材に応じて下さったグランマ達、アンケートにご協力下さった皆様。
お一人お一人に、心より感謝申し上げます。

余談…

アシスタント時代、「GOKUSEN 極旋」というアルバムに編曲で参加しました。オーボエの庄司知史氏をはじめ一流の音楽家の演奏による映画音楽やクラシックなど、聴いていて本当に幸せになれるCDです。
極上の旋律を心地好いアレンジで…というコンセプトのシリーズになるはずでしたが、プロデューサーである篠原敬介先生の急逝によりこの1枚で終わってしまいました。
先生が亡くなる少し前にお電話で、病に伏せられたお母様のために懐かしい日本の歌を子供が歌う「極旋」第2弾を考えている、とおっしゃっていました。その記憶が、明佳さんから初めてCD制作のお話を伺った時に強烈に重なって、それ以来私個人的には、編成こそ違いますが極旋シリーズの後継のような気持ちで、この「Four Seasons」制作を進めてきた気がします。
天国の先生がこのアレンジをどうお聴きになるのか…「ボツ!」なんて声が降ってこないことを結構本気で願っています(笑)

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